春色デイジー
本日何度目かの舌打ちと共に、五月蝿い鼓音を静めようと時計に目をやる。
と、午後4時半。
そろそろ学校を出ないと、バイトに遅刻する。
私は最後の一口を含んで、がたりと椅子から立ち上がる。
「バイトなので帰ります」
「あー、了解。また行くね」
「……来なくていいです」
「営業妨害じゃん、それ」
「正当防衛です」
そのまま扉に手をかけた時、この人はまた私を苛める。教育者が生徒を苛めるなんてあってはならないことだろう、普通は。
「もうすぐ中間考査だね」
「あー、もうそんな時期ですか」
「英語も頑張ってよ?」
動きを止めて振り返ると、足を組みひらひらと手を振る先生。あれ、私が英語を苦手なこと何故知っている。
「赤点だと補習あるらしいよ」
「はっ?」
やっぱり苦手なのかー、と愉快そうに笑う先生。そんな彼に、易々と地獄に突き落とされた私。何故だ、どうして。
と、午後4時半。
そろそろ学校を出ないと、バイトに遅刻する。
私は最後の一口を含んで、がたりと椅子から立ち上がる。
「バイトなので帰ります」
「あー、了解。また行くね」
「……来なくていいです」
「営業妨害じゃん、それ」
「正当防衛です」
そのまま扉に手をかけた時、この人はまた私を苛める。教育者が生徒を苛めるなんてあってはならないことだろう、普通は。
「もうすぐ中間考査だね」
「あー、もうそんな時期ですか」
「英語も頑張ってよ?」
動きを止めて振り返ると、足を組みひらひらと手を振る先生。あれ、私が英語を苦手なこと何故知っている。
「赤点だと補習あるらしいよ」
「はっ?」
やっぱり苦手なのかー、と愉快そうに笑う先生。そんな彼に、易々と地獄に突き落とされた私。何故だ、どうして。