春色デイジー
◆
それから毎日、放課後1時間の補習が行われた。
卓馬は相変わらず頭が良いようで、いつも課題のプリントを直ぐに終わらせてしまい少し離れた席で微睡の時間を広げている。
いくら幼馴染と言えども、毎日待たせてしまうのが申し訳なく感じて、先に帰っていいよ。と言っても頑なにそれを認めず私が終わるまで待っていてくれた。
そして今日は補習の最終日。
確認のための小テストをするらしい。
時計の秒針が12を指した時、先生の「始め」という合図が短く響き、プリントに視線を向けた。
先生はいつもの前の席には腰を下ろさず、教壇に置かれた椅子に座っている。うつらうつら、と船を漕ぎ出す先生の姿に笑ってしまう。
そして、それを観察する余裕を見せる自分に対しても笑ってしまった。
この一週間で教えてもらったことを思い出して、ひとつひとつ問題を解いていく。
えーっと、これは昨日勉強したところだから……。
訳が分からない異国語の羅列だって、その国にとっては母国語であり、大切な言葉。感情や気持ち伝えるためには、不可欠なものなのだ。
それから毎日、放課後1時間の補習が行われた。
卓馬は相変わらず頭が良いようで、いつも課題のプリントを直ぐに終わらせてしまい少し離れた席で微睡の時間を広げている。
いくら幼馴染と言えども、毎日待たせてしまうのが申し訳なく感じて、先に帰っていいよ。と言っても頑なにそれを認めず私が終わるまで待っていてくれた。
そして今日は補習の最終日。
確認のための小テストをするらしい。
時計の秒針が12を指した時、先生の「始め」という合図が短く響き、プリントに視線を向けた。
先生はいつもの前の席には腰を下ろさず、教壇に置かれた椅子に座っている。うつらうつら、と船を漕ぎ出す先生の姿に笑ってしまう。
そして、それを観察する余裕を見せる自分に対しても笑ってしまった。
この一週間で教えてもらったことを思い出して、ひとつひとつ問題を解いていく。
えーっと、これは昨日勉強したところだから……。
訳が分からない異国語の羅列だって、その国にとっては母国語であり、大切な言葉。感情や気持ち伝えるためには、不可欠なものなのだ。