春色デイジー
今回はこの前のようなことはなくて、シャーペンが止まることは無かった。




「はい、終わり」


思考の空間を割り入るような先生の声に、終わった達成感と疲労感が溢れる。


「できたー?」

「んーまあまあかな」

「優花のまあまあは信用ならない」

「じゃあ聞かないでよ」


先生が採点をしている間に、余裕そうな卓馬と会話を交わす。

私に対する扱いが酷い。きっと卓馬は出来たに違いないから、あえて小テストの出来栄えについて聞くことはしなかった。



「……よし!二人とも合格」


先生から返却されたプリントには赤色で100と書かれ、花丸まで付いている。


「は、え。満点ですか?」

「うん。正直、吃驚した」

「はい、私も」


花丸を眺めながら、小学生の低学年以来取ったことのないような点数に、未だに瞬きを繰り返す自分。

確かに最初よりは出来たと思ったのは事実だし、家でも勉強したけど。それでも予想外な点数に、正直かなり吃驚した。

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