春色デイジー
くしゃ、と目尻を下げて笑いながら私の髪の毛をぐしゃぐしゃにする先生は、今まで見たことのないような表情をしていて。
自分の胸が心臓が、音を立てたのが分かる。
ああ、また苦しい。苦しさに咽返りそう。
動揺の色を映した瞳を隠すように伏せた。落ちてしまっては駄目なんだ。
今終わったばかりの長かったような短かったような一週間に、嬉しいような寂しいような複雑な気持ちだ。
視界の隅に移る教室の窓から見えた空は橙と紫が入り混じっていた。