Only

「ちょ…!輝、あんた電車通学だったの!?何あたふたしてるのかなと思ったらいきなり電車がどーのこーの行って飛び出してきちゃうし!」

優奈が息をきらしながら言う。


…本当、あたし何焦ってんだろ。

別にあんなヤツ、普通にスルーすればいいのに。

何であんな行動したんだろ…


振り回してしまった優奈に訳を話すと。

「ふーん、学園の王子様ねえ。まあ、結構イケメンだったけど、あたしのタイプじゃないかなー」

…いや、あの、そこじゃなくて…

「まあ、名前が一緒でもどーでもいいじゃん?」

ポジティブシンキング…!

もう心の中では優奈様って呼んでいいかなこの人…

「てか、そんな王子様が同じクラスとか知らなかったし!」

あたしも知りませんでした、優奈様。

さて…

明日からの学校が少し気が乗らなくなった。


…高校生活初日が終了。


< 10 / 308 >

この作品をシェア

pagetop