Only
「ちょ…!輝、あんた電車通学だったの!?何あたふたしてるのかなと思ったらいきなり電車がどーのこーの行って飛び出してきちゃうし!」
優奈が息をきらしながら言う。
…本当、あたし何焦ってんだろ。
別にあんなヤツ、普通にスルーすればいいのに。
何であんな行動したんだろ…
振り回してしまった優奈に訳を話すと。
「ふーん、学園の王子様ねえ。まあ、結構イケメンだったけど、あたしのタイプじゃないかなー」
…いや、あの、そこじゃなくて…
「まあ、名前が一緒でもどーでもいいじゃん?」
ポジティブシンキング…!
もう心の中では優奈様って呼んでいいかなこの人…
「てか、そんな王子様が同じクラスとか知らなかったし!」
あたしも知りませんでした、優奈様。
さて…
明日からの学校が少し気が乗らなくなった。
…高校生活初日が終了。