Only

大地がニッコリ笑って教室を出ていく。

「さてと。このキーホルダー、非売品とか言ってたよね?光君?」

少し怒り口調で光に問う。

以前、大地に非売品では無いことを教えてもらったとはいえ、スルーはできない。

「…うるせー!お前をマネージャーにするにはアレしかなかったんだよ…」

顔を赤らめて言う光。

いつもの余裕がまるでウソのよう。

「へーえ?」

あたしがふっ、と鼻で笑うと

「てめえ」

と脅しにもならない悪あがきをした。


チャイムが鳴って。

授業が始まって。

悪夢へのカウントダウンが着々と進んでいた。


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