Only

今日は五時間授業日。

いつもより一時間ちょっと早く下校できる。

掃除の割り当てもなく、鞄に教科書を入れる。

…緊張する…

いくらなんでも、親に紹介するのは…


よほど深刻な顔をしていたのか、前の席の咲が心配そうに『大丈夫?』と訊いてきた。

「何緊張してるの?家デビュー??」

「ん…まあ、楽しみなんだけど、何か緊張しちゃう。」

「なーに、大丈夫だって!!彼女を紹介してもらう親もきっと楽しみにしてるよー♪」

「…そーだね!頑張る。」

「うん!!」

咲に励ましてもらって元気が出たあたしは、玄関で光を待つ。


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