Only
「ただいまー」
リビングに入っていくと、キッチンにいたお母さんが、
少し驚いたような顔でこっちを向いた。
「おかえり。…早かったね?」
「うん、まあね」
へへっ、と笑いながら言うあたし。
多分お母さんは、あたしに何かあったことに気付いてる。
でも、気を遣ってくれているのか、
「そう。ご飯食べようか?ケーキも作ったんだよ。着替えておいで」
と笑顔で言ってくれた。
あたしは、その気遣いに甘えて
「うん♪ケーキ楽しみ♪」
とだけ答え、二階の自分の部屋へ向かった。