Only

一階へ下りると、もうご飯の準備はできていて、お母さんがラップを外しているところだった。


今日の夕飯は特別豪華。

あたしの大好きな手巻き寿司。

寿司にはちょっと合わない気がするけれど、あたしの大好物のシチューもある。

「わあー♪豪華だねー!」

「でしょう?4時から支度始めたんだから」

お母さんが誇らしげに言う。

「お誕生日、おめでとう輝」

「ありがとう、お母さん」

満足そうに笑うお母さんの顔は、あたしにとって宝物。

いつも安心できる笑顔。

二人で椅子に座り、ご飯を食べ始める。


「あのね、お母さん。ちょっと聞きたいことがあるんだ」

「ん?」


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