Only

光はどんな思いで別れを告げたのかな。

アッサリと、淡々と。

「別れよう」とだけ言った光。

…あたしは、それだけの存在だったのかな。

こんなにもあたしは、光を想ってるのに…

光を失っただけで、こんなにショックが大きいのに……


思い浮かぶのは、光の笑顔。

あたしをマネージャーにさせるためにウソをついた光。

大地にヤキモチを妬く光。

真っ赤な顔をしてそっぽ向く光。

ワンピースを着たあたしを見て、満足そうな顔して笑う光……

「ううっ…」

お母さんに聞こえないよう、布団に顔をうずめて泣く。

どうして涙は、枯れないんだろう。

こんなに泣いても、まだ溢れる涙。


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