Only

「…る!輝!!」

誰かに揺さぶられる。

渋々目を開けるとお母さんがあたしの顔を心配そうに覗いてた。

「あなた学校どうしたの?休むなんて珍しいじゃない。熱でもあるの?」

チラッと時計を見ると、もうお昼の時間を過ぎていた。

「あー…お腹痛くて、ちょっと…」

本当の事は言えない。

「そう…?お粥でも作ろうか?」

「ううん、大丈夫だよ。」

今は、食欲がない。

食べたら吐きそう。

「無理しないで、治ったら起きておいで」

そう言って部屋から出て行くお母さん。


…ずっと一人だったんだよね…。

子育てって過酷で大変。

それを一人で頑張ってたお母さん。

幸せになって…ほしいもんな…


これで、良かったんだ。

別れるのが、一番、良い選択だったんだ。


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