Only

「そうだ。だから離婚は、すべて俺が悪い。ごめんな、光。お前達がそういう関係だとは知らず…」

目を伏せがちにして、父さんは言う。

ふと、嫌な予感がした。


愛さんと会った。

会って、話をした。

そして、母さんとの離婚を決めた。


…何のために、離婚を決めた?

「それで?その、愛さんとは、どうするんだよ」

「……実はな…」

悪い予感というのは、大体当たる。


「愛さんと、再婚することにした」


覚悟を決めて。

その事を訊いた。

でもその事実という荒波は、あっという間に心を攫って行く。


なあ、輝。

神様。

どうして

俺らは…

出会ってしまったんだろうか。



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