Only
ひたすら走って、ようやく輝の家の前に着いた。
ポケットからスマホを取り出して、輝に電話をかける。
「もしもし…?」
「…っ急にごめん…今家の前に来てる。出てこれるか?」
すると、二階の部屋のカーテンが開いて、輝が顔を覗かせた。
すぐに家から出てきた輝。
「どうしたの?こんな時間に…」
心配そうに、俺を見上げる。
腕の中に閉じ込めておきたい。
兄弟になんか、なれない…
「ちょっと…話したくて。ここじゃあれだから…公園行くか」
家の前だと話しにくい。
俺は輝を連れて、近くの公園へ向かった。