Only

輝がどう考えてるのかは分からない。

でも、兄弟になることは望んでいないって事。

それだけは痛いほど分かる。


ただ、ここで俺が突き放さないと、

俺が別れを告げないと…

これから、もっと辛くなる。

輝の母さんにとっては、もう2度と訪れない恋かもしれない。

父さんだって、離婚までして一緒になりたい相手。


…俺らは、離れなきゃいけない。

恋なんて、許さないんだろう。

俺が、言わないと…

「だから…」


輝。

好きだよ。

初恋だった。

初めて、コイツを守りてえ、って思った。

でも…


「別れよう」


輝の涙は、止まる事なく流れ続けた。


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