Only
それからしばらく、時間を忘れて作業をしていたら。
他のクラスの女子が、教室に入ってきた。
…さっき光と話をしてた子だ…
その瞬間、交わる視線。
その子の目の色が変わった気がする。
なんとなく、気まずくて目を逸らした。
「ねえ、あなた光の…彼女さん??」
話した事も会った事もないのに。
普通に話し掛けてくる美少女。
「え……?」
「あ、違うの??ごめんなさい、私の勘違いだったのかな?」
「……っ」
もう光の彼女ではないのは分かってる。
でも、言葉にするのは辛くて…
困っていると、大地があたしを庇うようにして前に立った。
「何してんだお前」
「あ、窪田じゃん。こっちが本命クン?」
「何しにきた」
「やだ冷たいなー、何で怒るの?」
キャハハッと挑発的な笑みを浮かべるその子の目は、笑ってない。