Only

「俺だったら…ダメか?」

真剣な顔で。

真っ直ぐな瞳で。

耳を赤くさせて、彼は言う。

「今すぐにとは言わない。でも、もし友達以上に見ることができるなら…」

ぐっと力が入る、大地の両手。


「俺に、輝を支えさせてほしい」


目が回るような感覚。

予想外の告白に、頭が機能しなくなる。

「…大地…あたし、」

「分かってるよ。今はまだ、忘れられなくても…俺、ずっと待ってるから」


切なくて、優しい笑顔。

揺れる心は、何処かにあって。

自分の気持ちに、整理がつかない。

「そんなのって……」


…今までの自分の行動に反省する。

光のことで泣いてる時は、大抵、大地が近くにいて。

LINEで相談したりもした。


その度大地は。

…ツラくて、苦しくて仕方なかったんじゃないか?

自分じゃない違うヒトのことで泣く好きな人を慰め続けるのは。


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