Only
「何自分を追い詰めてんの!?バカ輝」
…こんな会話になるとは、思ってもいなかった…
スマホの向こうで、優奈が大きな溜め息をついた。
「何年友達やってんのさ。あたしの気持ちだとか、そんなのいちいち気にしないでよー!自分の気持ちだよ?正直に、答えだせばいーの!」
「正直に…?でも」
「確かにあたしは窪田君が好きだけど…でもね?
もし輝と窪田君がうまくいったら、あたし応援する。
だって輝、あたしの切り替えの早さ、分かってるでしょ??」
「優奈…」
「最近、輝全然笑えてないし。…そんなこと気にして、また笑顔潰されたら困るし。あたしはね、輝と笑ってたいの」
「………もう何て言ったらいいか分かんないけど……ごめんね。そしてありがとう、本当。…優奈が友達でいてくれて……味方でいてくれて…」
こんなダメなあたしでも。
ずっと支えてくれる。
そんな優奈が、いてくれて。
「救われ…る…っ」
目から涙が溢れて。
スマホの向こう側で、優奈も泣いてるのが分かる。
「窪田君のこと。今日一日は、想ってるよ。明日からは、忘れる。だから輝。あたしのこと気にしてたら、嫌いになるからね?」
優しい優奈が。
大好きだ、あたしは。
こんなあたしでも…
側で支えて、くれるんだね……