Only

あの学園のプリンス、光様がいた。

別に知り合いでも何でもないのに、一瞬息が止まった。


「何ー?座れなくないじゃん♪
早く座ろ座ろ!」

優奈があたしを急かす。

「あ、いや、やっぱあっちで…」

あたふたしていると、王子の瞳があたしを捉えた。

あまりにも澄んだ瞳に大袈裟なほど体がはねた。


…キレイな瞳。


「ゆっ・・・優奈、あたし、電車の時間ヤバイから歩きながら食べよ!」

…何を言っておるんだ、あたしは。

電車って何。

あたしの家は学校から徒歩15分。

電車なら数十秒で着いてしまうやん!

ってか何故大阪弁!?


訳がわからない事になっている頭を抱えながら大急ぎで店を出た。


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