さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
「で、どうなるの? 裕太は、中学校卒業したら就職? 
あたしは? 学校やめて、どっかのフーゾクで働くの?」

裕太は、弟だ。

父の顔が、すうっと、青ざめた、と、思うとみるみる真っ赤になり……

「アホか!」

ふすまが、びりびりとゆれるほどの大声で怒鳴った。

「アホか、お前は。だれがそんなことを言った。
バカ野郎。学校には、きちんと行け!」

(なんだ、そうか)

ほっとしたような、拍子抜けしたような気分……
< 10 / 211 >

この作品をシェア

pagetop