さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
商店街の特集となってはいるが、紙面の大半は父の紹介といってもいい。
「恥ずかしくて、死にそうだ」
と言いながら、父は、奥の居間に引っ込んだ。
布団をしいて、倒れ込む音がした。
「これ、本当のことなの?」
父が、実家の和菓子店を飛び出して、ケーキ屋で修業した、ということは、聞いたことがある。
けれども祖父との確執など、まして、自分が生まれたときに和解したことなど、あたしには初耳だった。
「まあ、嘘は書いてないわね」
と、母は答える。
「かなり大げさだけど、全部本当だわね」
「ふうん……」
「恥ずかしくて、死にそうだ」
と言いながら、父は、奥の居間に引っ込んだ。
布団をしいて、倒れ込む音がした。
「これ、本当のことなの?」
父が、実家の和菓子店を飛び出して、ケーキ屋で修業した、ということは、聞いたことがある。
けれども祖父との確執など、まして、自分が生まれたときに和解したことなど、あたしには初耳だった。
「まあ、嘘は書いてないわね」
と、母は答える。
「かなり大げさだけど、全部本当だわね」
「ふうん……」