さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
「深いプールだと思って、飛び込むのよ。で、あとで気付くの。洗面器だったって」
みどりさんは、くすくすと笑った。
「でも、あなたのお父さんは、深いわよ。深いプールだと思います」
「はあ……」
「あのお、ケーキ、いいですか?」
ケーキのショーケースを指さした。
「今から伺う方のお宅に、持っていきたいので」
みどりさんは、ケーキを7個買ってくれた。
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ありがとう。お父さんによろしく。決してお父さんが悪くは思われないように、記事を書いたつもりなので……」
「大丈夫ですよ。父は。強いですもん」
「うふふ。さようなら。またね」
みどりさんの後ろ姿を見送った。
(深いプール、浅いプール、洗面器。あの人、相当痛い思いをしているのかもしれない……)
みどりさんの後を追いかけて、「師匠、私を弟子にしてください!」と、土下座でもしたい気分だった。
みどりさんは、くすくすと笑った。
「でも、あなたのお父さんは、深いわよ。深いプールだと思います」
「はあ……」
「あのお、ケーキ、いいですか?」
ケーキのショーケースを指さした。
「今から伺う方のお宅に、持っていきたいので」
みどりさんは、ケーキを7個買ってくれた。
「ありがとうございます」
「こちらこそ、ありがとう。お父さんによろしく。決してお父さんが悪くは思われないように、記事を書いたつもりなので……」
「大丈夫ですよ。父は。強いですもん」
「うふふ。さようなら。またね」
みどりさんの後ろ姿を見送った。
(深いプール、浅いプール、洗面器。あの人、相当痛い思いをしているのかもしれない……)
みどりさんの後を追いかけて、「師匠、私を弟子にしてください!」と、土下座でもしたい気分だった。