さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
麻理の家のダイニングキッチン。

夏休み前のあの日も、ここにやってきた。

そして、「ビンボー脱出大作戦」の計画を練ったのだ。

なんだか、ずいぶん昔のようにも感じる。



麻理は、数学のノートを持ってきた。

「はい、これ」

麻理が渡してくれたノートを広げて、写す。

わざと数値を間違えたり、【難】という印のついた問題は、初めから写さなかったり、自分なりに工夫してノートを写す。

麻理は、隣で二人の英語のプリントを並べて、答えをチェックしている。

英語はあたしの得意教科だ。

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