さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
「彼女?……は、は、は、いないよ。もてないもん」

(うそでしょ)

「けいこさんは?」

ずっと、気にかかっていたことだ。

「え? けいこ? だれ? その人」

「潤一さんのお知り合いじゃないんですか?」

「え?」

「うちで、ケーキを注文されたでしょう?けいこさんのケーキだと言っていました」

「あ? 誕生日の?」

「はい」

「ああ……わかった」

と、潤一さんは大きく息を吐いた。

< 136 / 211 >

この作品をシェア

pagetop