さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
かなり驚いた。

以前だったら、「うるさい」「流行のものなんか作らねえ」と言う筈なのに、今回はずいぶん前向きである。

だから、思い切って、麻理の家で潤一さんと話したことを思いだして、提案してみた。

「シュークリームをココア味にするのよ。皮のごつごつした感じが、げんこつみたいじゃない? 
で、で、でー、『重蔵父さんのげんこつシュークリーム』」

「あー、いいね。おもしれえ」

裕太には大受けだった。

「父さんのげんこつなんて、私は願い下げだけど、他の人は面白がるかもしれないね。いいんじゃない」

母も賛成した。

「それから……」まだまだある。


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