さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
大売り出しの日曜日。
商店街の、道幅が少し広くなっている所に特設ステージが設けられた。
朝からレコード会社の人が二人やって来て、マイクを設置してテストを繰り返していた。
あたしは父の言いつけで、「志研とおる」のスタッフのもとに行った。
「あのお、この先の果林堂というケーキ屋が、志研とおるさんの控え室になっていますので、志研さんが来られましたら、そちらにどうぞ、とお伝え下さい。
スタッフの方も準備がお済みでしたら、果林堂においでください」
グレーのパーカーを着て、マイクのコードを引っぱっていたスタッフが顔をあげた。
「はい。私が、志研とおるです」
商店街の、道幅が少し広くなっている所に特設ステージが設けられた。
朝からレコード会社の人が二人やって来て、マイクを設置してテストを繰り返していた。
あたしは父の言いつけで、「志研とおる」のスタッフのもとに行った。
「あのお、この先の果林堂というケーキ屋が、志研とおるさんの控え室になっていますので、志研さんが来られましたら、そちらにどうぞ、とお伝え下さい。
スタッフの方も準備がお済みでしたら、果林堂においでください」
グレーのパーカーを着て、マイクのコードを引っぱっていたスタッフが顔をあげた。
「はい。私が、志研とおるです」