さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
「菓子作りなら、オレが教えてやる」
「いや、学校ならいろいろと……」
「学校ならいろいろと、どうなんだ?」
実はあたしも、よくわかっていない。
専門学校に行けば、父に習うよりも新しい技術を学べるはず、とは思うけれども。
父は、茶碗も箸もちゃぶ台に置いた。
そして、あたしの顔をのぞき込むようにじっと見つめた。
「実可子、夏休み前に、貯金を下ろさせたな」
「うん、20万、貸したよね」
「あの金を返す」
「もういいの?」
「もういい」
「いつでもいいよ」
「いや、学校ならいろいろと……」
「学校ならいろいろと、どうなんだ?」
実はあたしも、よくわかっていない。
専門学校に行けば、父に習うよりも新しい技術を学べるはず、とは思うけれども。
父は、茶碗も箸もちゃぶ台に置いた。
そして、あたしの顔をのぞき込むようにじっと見つめた。
「実可子、夏休み前に、貯金を下ろさせたな」
「うん、20万、貸したよね」
「あの金を返す」
「もういいの?」
「もういい」
「いつでもいいよ」