さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
「だから、つまり、果林堂が支店を閉店したといっても、そんなに、心配しなくていと思うよ」

「だって、実可子のお父さんのケーキは、文句なくおいしいもの」
麻理が言う。

「うーん、私も、父のケーキは美味しいとは思うんですが、でも、売り上げが落ちているらしいです」

潤一さんは、首をひねりながら言った。

「ええと、ケーキにも流行とかはあると思うけど、お父さんは、そういうものはあまり意識して作ってないんじゃないかな」

「そう、そうです。ウチの父は、流行というか、世の中の流れからは、完全に取り残されていると思います」

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