さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
「ねえ、ねえ、小学校の時の友だちネットワークを使うって手は?」

二人の話を聞いていた麻理が口をはさむ。

「実可子の家が大変だ、っていえば、みんな、ケーキを買ってくれるよ」

麻理とあたしは私立の女子中学校に進んだけれど、地元の公立中学校に進んだ友人たちとも、今でもメールで連絡をとっている。

道で会ったら、いつも会話する。

みんなは、「さくら町ゆめ通り商店街」の近くに住んでいるから、頼めばケーキの一個や二個、買ってくれるだろう。
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