さくら町ゆめ通り商店街～小さなケーキ屋さん～

「だめだめ、それは」

潤一さんは首を横に振った。

「麻理、つぶれそうな店から、食べ物を買いたいかい？」

「うーん……微妙かも」

「イメージってものは、経済行動……つまり買い物などにかなり影響する。
食べ物は、だれでも、よく売れている人気の店で、よく売れている品物を買いたいものだ」

「そうだね……」

「だから、麻理、絶対、ここで話し合っているようなことを、他の友だちに言っちゃいけないよ。ヘンなうわさになって、実可子ちゃんの家に迷惑をかけるかもしれないから。
友だちネットワークなら、いいうわさを流すのに使って」

麻理は大きくうなずいた。