さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
店に出て、カウンターの中にいる時は、立ちっぱなしだ。

そろそろ疲労が背骨のあたりに忍び寄ってきた昼ごろに、潤一さんがやってきた。

長身の潤一さんの姿が、店のガラス越しに見えたときから、あたしは頬が熱くなるのに気付いていた。

白いTシャツがまぶしい。

「こんにちは」

「いらっしゃいませ。」

さりげなく応対する。

よかった! 父も母も厨房にいて、店内はあたし一人。

潤一さんは、優しい笑顔を見せて言った。
「がんばってるね」

「はい、がんばってます」

「じゃあ、これ、と、これ、お願いします。チーズケーキ2個、ロールケーキ2個」

「はい、ありがとうございます」

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