さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
ケーキを待つ間も、会計をする間も、潤一さんは、店内をあちこち見ていた。

ショーケースの中のケーキも、店内の飾りも、じっくり見られている感じ。

なんだか、恥ずかしくなってきた。

店には、きっといろんな欠点があるだろうから。


ケーキの箱を受け取って、潤一さんが出て行ったとき、もっと話していたいと思うより、ほっとする気持ちが先に立っていた。

「もっと、いいお店にしなきゃ、いけないんだろうな」

もっと、もっと、いいお店に。

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