さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
その夜から、片付けが住んだ台所でクッキーの試作を始めた。

いつのまにか父が、側に来て

「打ち粉が多すぎる。粉っぽくなるぞ」
「バターが多い生地は、冷蔵庫で少し冷やすと型を抜きやすいぞ」

などと、あれこれと指示を出した。

言うとおりにした。

裕太もやってきて、

「スライスアーモンドを貼ると、イヌの毛っぽくならない?」
「顔に目なんかつけないの?」

などと、口を出した。


「このクッキーは家族みんなの合作だね」

父に言うと、

「かもしれんな」

父はぼそっと答えた。


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