さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
「それにしても……いやな世の中ね」



2日後、再び「いやなこと」が起こった。

よく店にくる母親と小学生の男の子が来て、モンブランを2個、シュークリームを3個買って帰った。

そのあと、見るとクッキーが4袋に減っていた。

親子が来るまでは、5袋あったのだ。


店には、母とあたしがいたけれども、あたしは別のお客の応対をしていた。

あたしが応対したお客は、クッキーのある場所とは離れた場所にずっと立っていた。


クッキーには近づけたのは、……小学生の男の子。
手に、大手の学習塾のバッグを持っていた。

おそらく、周囲の目を盗んでクッキーをバッグにいれたのだろう。

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