怖話4〜こわばなフォー〜
「はい。もしもし?」

「あのね。凄いいいダイエット見つけたの!!」

いつも以上にテンションの高い彼女の声が、どれだけ嬉しいかをよく物語っていた。

「へぇ〜まじ?どんなん?まさか、また無理してやるいダイエットじゃないだろうな?」

「ううん。違う。違う。1日3回食後にカプセルに入った薬を飲むだけなんだって〜。で、あとは何もしなくていいんだってさ。凄くない?」

「へぇ〜。きつくはなさそうだな。でも、そんなんで痩せんの?」

俺がそう言うと、彼女は、少し起こった声で言った。

「絶対痩せるって!!『体の内側からスッキリダイエット』なんだから。」

「いやいや。そんなの。みんな書いてあるだろ。ダイエットの実績とか書いてないの?」

「もちろん。書いてあるに決まってるじゃん。毎週5キロずつ体重が落ちてくんだってよ〜。」

俺の問いを待っていたかのように、彼女は嬉しそうに答えた。

俺は、カプセル飲んだだけで、毎週5キロずつ落ちていくなんて、あり得ないと思ったが、彼女が無理してダイエットをするよりは、いいかと思い、あまりそのダイエットについて、突っ込まないことにした。

とは言え、軽くからかってみる。

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