花に想いを。
「海士くんってさ、カッコイイよね!」

声量を落としながらも力の入った言い方。

「う…ん、まぁねえ」

こくりと頷くと、近くにいた女子もみんな同意する。

確かに、見た目はちょっと…っていうかだいぶイケメン。

適度に大きい目に長い睫毛の影が掛かったりしてね。

なんか絵になるーって感じ。

でも、でもだよ。

「陰キャラだし、会話とか続かなくない?」

私が言うと、一同苦笑い。

「まあ…そうだよね」

「普段喋ることも無いから、どんな人か分かんないしね」

「それそれ。なんか別次元ーって感じ?」

ぐいと身を乗り出した子に

「次元って。そこまで言っちゃうー?」

と相槌を打ちながらも、実は納得していた。

なるほどね、そういう感じかも。

なんか不思議っていうか、他所の人…っていうか。

そんなことを思っていると、なんか仲間はずれしてるような気分になる。

勝手に罪悪感。

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