花に想いを。
……プロポーズ。

最初はアイツに給料で勝ってからしようと思っていた。

そういえば今はもう勝っている。

まだ差はあんまり無い。

もうちょっと引き離したら、とかずるずると思っていたが。

今するってのも……悪くはないな。

いやでも、もっとちゃんとした時の方が。

迷った末、よし、と小さく呟く。

天に任せよう。

彼女が花言葉に気づいたら言う。

気づかなかったら言わない。

そこまで考えて目を閉じる。

おい、評論家っつー仕事なんだろ。

気づかなかったら承知しねぇぞ。

彼女の笑顔に心を馳せると自分も少し笑う。

ふ、と息を吐いて目を開けると、何事も無かったかのように さっきの店員を呼んだ。
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