花に想いを。
教卓を離れて、『海士くん』の席に近づく。

「海士くーんっ、仕事ありがと!

あと今日はよろしくねーっ」

笑顔で言うと、本を読んでいた海士くんは顔を上げた。

「ん…ああ。どうも」

ぺこ、と軽く頭を下げる海士くん。

…会話続かねーっ!

これだから陰キャラは、もー。

『陰キャラ』ってのは、んー…とにかく暗い奴。

苦手なんだよね、会話続かないヒトとかっ!

私の笑顔が若干引きつりかけると、相手が日直の日誌を手渡してきた。

「…え?」

「日誌のほうやってくれる?

俺、黒板消しやるから」

相手の方から喋るとは思わなかったから、思わず黙ってただ頷く。

海士くんは少し微笑んで

「ありがとう」

と日誌を私に手渡した。

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