【短編】いつも側に
草むらが沢山生えている坂道を慎重に降りて河原に近づいた。
『懐かしい…』
汚れ一つ無い綺麗な河原。
小さい頃の記憶が蘇ってくる。
゛見て拓真くん!お花が咲いてる!!゛
゛本当だ!綺麗だね!゛
゛うん!゛
いつも拓真と走り回って遊んでて…
楽しかったな…
゛優美ちゃん゛
゛ん?何?゛
゛将来、僕と結婚してください!!゛
顔を真っ赤にして叫んだ拓真に、花を摘んでいた私は固まった。
゛拓真くん、優美の事好きなの?゛
拓真は言葉にせず、変わりに深く頷いた。
゛私も拓真くん好きー!゛
゛本当?!゛
゛うん、優美ウソつかない゛
すると、スッと目の前に出された小指。
゛約束な゛
゛拓真くんと約束する!゛
差し出された小指に自分のを絡ませて、腕をブンブンと振ってお互いに約束を交わした。