【短編】いつも側に
「さっきは悪かった」
『別に、拓真の言ってる事は正論だもん…』
みんなを戸惑わせて迷惑かけてるし…
反省をしてもしきれない。
「…俺、好きな奴がいるんだ」
―…ドックン
『ふ、ふーん…』
飛び跳ねた心臓。胸がキュッと痛くなる。
…そんな事直接拓真の口から聞きたくなかった。
動揺してるのを気づかれないように顔を下に向けた。
「ずっと、片思いしてた
怖くって気持ちを伝えられなかった」
ポツリポツリと自分の気持ちを言葉に表す。
今すぐにでも耳を塞ぎたくなる。
「そいつが男と喋ってるだけで嫉妬して、ガキみたいな態度でイラついた気持ちをぶつけて…傷つけた」
完璧失恋じゃん私。…ヤバッ。
涙が出そう…
「無邪気に笑って、いつも側にいて愛おしくって…」
まだ自分の気持ちを伝える前なのに、こんな失恋の仕方ってあり??
「そんな…、」
嫌。聞きたくない。聞きたくないっ。