【短編】いつも側に
『嫌っ!!』
「!?」
私はそれ以上聞きたくなくって耳を塞いだまま涙を流して拓真を見つめた。
「優美…?」
私がまた泣いて困った顔をする拓真。
でも、千夏の名前を聞く前にちゃんと自分の気持ちを伝えたい。
『私…、
拓真が好き』
長い間、胸に閉まっていた気持ちを言った。
『好き。拓真が好きなの…っ』
気持ちが溢れ出して涙が止まらなくなって、耳を塞いでいた手で顔を覆った。
これで、完璧失恋だね…
「先に言うなよ」
『!?』
いつの間にか、拓真に優しく抱き締められていた。
先に言うなよってどういう意味?
何で私抱き締められてるの?
『たく…っま??』
上手く出せない言葉を無理して出して顔を上げた。