【短編】いつも側に
顔を上げると目の前には拓真の顔。
そして、微かに触れた唇の感触。
「俺も好きだ。ずっとガキの頃から…」
『…!!』
「優美だけを見てた」
顔が離れて更に力強く抱きしめる拓真に私の頭はパニック。
『え、だって拓真は千夏を…っ』
だから、私に怒ったんじゃ…??
「んなわけねぇーだろ、千夏は俺の気持ちを知ってからかってただけだし
それに、あんなガサツ女を好きになるかよ」
すんごい嫌そうに首を振ってキッパリと否定した。
好きじゃなかったっていうのはよかったけど、私の友達の悪口は聞き捨てならないんですけど…
すると、コツンとお互いの額がくっついた。
「約束したろ?」
『約束?』
「お前を貰うって」
拓真の言葉でまた思い出す小さい頃の記憶。
あの約束…、覚えててくれてたんだ…っ