【短編】いつも側に



『ち、千夏…』

「バカ、優美…っ」


涙をポロポロと流す千夏に胸がチクンと痛んだ。



『ごめん。千夏は何も悪くないのに八つ当たりしちゃって…』


それ以上言葉が出てこなかった。
何を言ったってきっと言い訳にしかすぎないよね…



ツカツカと私の所に歩いてくる千夏。

私の前に立ち止まり、スッと手を上げた。


次の衝撃を堪えるかのように目をギュッと瞑った。










『あ、れ…』


なかなか来ない衝撃に私は恐る恐る目を開けてみた。



「アホッ!!」


―…ベシッ



『痛ッ!!』


殴られないと少し期待をしていたが、見事に頭をスパーンっと叩かれた。



「そんなアンタの嫉妬ごときでめげるか!!」

『!!』

「私だって優美は大事な友達だもんっ
だから…、嫌いなんて言わないでっ」


私に抱きついて泣き叫ぶ千夏に私は抱きしめ返した。



『嫌いなんて嘘だよ。本当にごめんね。』

「うわーん。優美~っ」


泣き止むまでずっと私は千夏の頭を撫でた。


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