理想の都世知歩さんは、
くそ可愛いなおい……!?
心の内で叫び声を上げ、シャツの心臓部分を掴み、必死になって呼吸を整える。
よし、落ち着いた。また冷静を装える。
頑張ったぜ。へいへい!
冷蔵庫を開けて何故か黒酢をコップに注いでがぶ飲みする衵。
何の効果があるのかわからないけど、まだ耳も首も紅いままだよ。
っていうか今多分、背後から見られてるって余計にテンパってるんじゃ?
まだ紅は引かないし。
疼く悪戯心。
「衵、どうした?」
知らん顔を決め込んで、問い詰める。
「ナナナ何が?ドドッどうかした?」
思い切り吃っている。
ラップかよ。
「急に逃げるから…。何か俺、意識されてるみたい」
跳ねる背中を見逃さず。
何も言わなくなる衵を問い詰める。