理想の都世知歩さんは、




何か嗅ぎ覚えあると思ったら前もそうだったよね!?

ねえ、何で!?


狡い、とまで言い掛けてクワッと見開いた目を治めつつ、冷静に、真顔になって「おーい」ともう一度。


「…」

前と、少し違う寝顔に見えるのは何でだろう。



とか、なーんちゃって。

あぶない。危ないよこの寝顔。何か本当に人を変態にさせる力があるように思える。


睫毛ビューラーかけたみたいだし肌ほわほわだし緩やかへの字口可愛いし兎に角危ない通り越して怖い。

少し長めの前髪のくせ毛まで愛らしい。綺麗なのに毒づくのに何故。


早く起きて!



念力を送ってみるも、まあ起きない。

絶対この人、赤ちゃんのときからこうなんだよね。


揺さぶろうかと思った腕を下げ、しょうがないかと立ち上がろうとする。



「まった…」


と、突然腕を掴まれて、それはそれは驚いて床に落ちた。

都世知歩さん起きた。



一度しかしない瞬きの後じいっと見られ、目を泳がさずにはいられない。


どうかそんな目で見ないでください。




「おまえ、いまどこか行ってた……?」




「へ、はい」


もしかしてドアの開閉が気になったのかと心配になって頷く。



「ふーん…」



都世知歩さんはへの字口のままそう応えた。可愛いよ。なんですか。ご飯ですか。





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