BULLET for MY VALENTINE
――――――だが。


次の日のことだ。

私は久々の二日酔いに頭を悩ませながら庭を手入れしていた。

昼になって休息を取っている時、一人の訪問者が教会のドアを叩いた。


「…どうぞ」



入って来たのは、なんと昨日の新郎のエリックだった。


彼は私の前まで来ると、泣き崩れた。そして助けて下さいと、私に言った。



彼の話を聞いてやった。




結婚式が終わった後、彼はダーナと旅行へ行く予定だった。

しかし教会を出た瞬間に老人共に会社に連れていかれ、直ぐ様商談を山のように持ち掛けられた。


だがエリックは断った。すると老人共は目の色を変え、脅迫まがいの無理難題を押し付けてきたという。

それに震え、彼は教会以来ダーナに会っていない。


このままでは私だけでなく、彼女をも不幸にするかもしれない。

だから助けて下さいと、彼は言った。

< 12 / 51 >

この作品をシェア

pagetop