BULLET for MY VALENTINE
話が終わった時、私は内心で彼に謝罪した。彼を私は生ぬるい人間だと思っていたが、実際は違い、とても強く、彼女を大切にしていた。


だからそれ故に、悩んでいた。

私に助けを請うたのだ。





そんな悩む彼が、なんだか昔の誰かに思えてきて……私は彼に言った。


「…あなたは強い。その生き方に私がどうこう言えるものではありません。だから助言をしましょう。何が大切で、何が棄てられるべきかの助言です」


助言を聞いた後、彼はまた少し泣いたが、最後には強い意思を持った目で帰っていった。







――――――三日後―――――


エリックの会社の社員全員が突然退職し、会社で火災が起きた。

ぼや騒ぎで済んだものの、取引先の重要書類は全て燃えてしまったという。


そしてその間に、エリック夫妻は行方不明となっていた。

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