BULLET for MY VALENTINE

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それから約、10年後。


戦争は国を疲弊させながらもひたすら荒み、命を食らっていた。

さすがにこの長期間に渡る戦争に疑問を投げ掛ける者が現れ始めた。

国力が軍事に注ぎ込まれているため、治世が不安定になり、治安は悪化の一歩を辿っていた。


そして新たに国の問題として現れ始めたのが……「反戦協会」を名乗るアンチ・戦争団体。

かつての戦争経験者が、老若男女問わず集まり、戦争を支持する政治家の集会を断固、弾圧するという一種の暴力じみた団体だが、「戦争を経験した」者達の言葉の重みは強く、確実に、そして圧倒的な勢いで国民を支持を得ていった。






「「NO WAR!!NO KILL!!NO WAR!!NO KILL!!NO―――」」



旗を振りかざし、道路を封鎖し、行進をする反戦協会。


その中心、一番先頭に立ち、皆を促す初老の男がいた。

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