BULLET for MY VALENTINE
「私達は戦う為に生まれたんじゃない!!私達は人を殺める為に生まれたんじゃない!!私達は人として生まれたのだ!!私達は愛するべきだ!!戦を捨て愛を選べ!!銃を捨て愛を放て!!欲を滅ぼし愛を育め!!私達は間違っていた!!私達は間違っていた!私達は――――」


高らかに叫ぶ初老の男…周りは男が叫ぶ度に波打つように歓声に揺れた。

男は右手を掲げた。
静けさがサッと広がる。
男は唾を飲み込み、また、叫ぶ。

「この手を見ろ!!人を殺めるしか能がない手だ!!この皺が、マメが、傷が、罪の証だ!!私は――――罪深い!!」


どよめきが広がる。

「……しかし」

シン…と静けさが戻る。

「私は帰ってきた。何万もの人を殺め、仲間を見殺し、返り血を浴びた私は…帰ってきた。奇跡だ。正に神の奇跡だ……そう―――――これは――――――――――――――奇跡だ!!」


ぞわりと人の波が鼓動を打った。



「私は奇跡に救われた!だからこれは天命……人に戦争の愚かさを知らせる使者だと私は気付いた!!」

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