BULLET for MY VALENTINE
ワーナー家は、崩壊していた。


先程の少年は彼の息子。ロイ・ワーナー。ロイはジャクソンが反戦協会へと入会してから「父さん」でなく「ワーナーさん」と呼ぶようになった。

母親は家族の団欒を削るようなワーナーの行動に心を痛め、家にいることが少なくなった。


英雄は、孤立していた。

部屋でワーナーは机に突っ伏していた。

「私は間違っていたのか…?」

ロイの興味を戦場から遠避けるために始めたこの運動が、結果的にワーナーとロイの距離を遠避けてしまった。


何がいけなかった?

繰り返し、繰り返し問う。問い続ける。

そして、戦争がいけなかった―――その答えにたどり着く。

運動へとまた参加する……


その繰り返し。


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