彼とバスケと私
その後も次々とシュートを決め、相手のパスをカットしたり、シュートをブロックしたり……。
翔樹は大活躍で………。
流れは完全にうちだ。
「翔樹は…やっぱり上手いなぁ」
ポツリ、とそう言った和也先輩。
「アイツは、ディフェンス苦手だったはずなのに……もうあんなに出来るようになってる。
オフェンスだって元々凄かったのに磨きがかかってる。
成長スピードが…凄いな」
「本当にそうですよね……。
でも、和也先輩。気づいてますか?」
「何を?」
まだ、この試合で出来ていないことが1つある。
「長い距離のシュート、1本も決めてないんですよ」
翔樹が直そうと必死になっていたこと。
3ポイントシュートなんて1本も決めてない。
何本か打っているのに、決めれていない。
翔樹は、そのシュートを決めるところを一番見てほしいんだと思うから。
まだ、全然翔樹は納得していないと思うんだ……。